猫が見せる表情はたくさんありますが、一番変な顔は、何かのにおいを嗅いだ後に口を半開きにして放心状態になっている顔ではないでしょうか。
なぜそんな顔をするのか、その理由についてご説明していきます。
猫が口を半開きの変顔は、一日中履いていた靴下、汗だくのTシャツ、いつも使っているバッグの持ち手、サンダル、飼い主の顔など、クンクン嗅いだ後に見せる変な顔はまるで「クサー!!」と言って固まってしまったかのようです。
これは「フレーメン」と呼ばれる現象で、臭いと思っているのではなく、好ましいと感じてもっとそのにおいを嗅ぐために自然と口が開いてる状態なのです。
猫は鋭い嗅覚を持つことで知られていますが、鼻だけでなく口の中にもにおいを嗅ぐ器官があります。
上唇と歯茎の間にあるヤコブソン器官で、ここで嗅ぎ取ったにおいの情報は鼻が嗅ぎ分けたにおいの情報とは別に直接脳へ届きます。
においをしっかりとヤコブソン器官に届けるために口が開いてしまうのです。
ヤコブソン器官では食べ物や身の回りのにおいを嗅ぎ分ける鼻の働きとは異なり、主にフェロモンのにおいを取り込みます。
フェロモンのにおいは異性の尿や体液などに含まれていますが、そのにおいは人間の汗のにおいに似ているとも言われます。
靴下や脱ぎ捨てたTシャツ、長く履き続けたスニーカーなど、猫がフレーメンを行うものは確かに汗がじっとりと染み込んだものばかりです。
でもときどき、洗い立ての洗濯物でもフレーメンを見せることがあり、猫の嗅覚が鋭すぎるのか、においが落とせていないのか、飼い主を悩ませるところでもあります。
そして来客時にお客さんの持ち物に対してフレーメンをするのは止めて欲しいと切に願います。
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